宗派日本国内で行なわれる葬式の多くが仏式葬儀ですが、ひと口に仏式といっても宗派によって葬儀の作法は異なります。葬儀を執り行うにあたって宗派を知らなければならない場面がおのずと出てきますし、葬儀を行なう際だけでなく先祖供養全般においても大切な問題です。
今回の記事では、宗派の調べ方についてご紹介致します。

宗派の調べ方

寺院宗派の調べ方については、大きく分けて4つの方法があります。「親戚に尋ねる」「菩提寺に聞く」「仏壇を確認する」「お墓を確認する」という方法です。仏壇やお墓での確認方法は次の章で詳しくお伝え致します。
「親戚に尋ねる」といっても、どの様な方に尋ねたらよいのかという問題ですが、昔は寺院との関係性が近年よりも密接だった為、年代が上の親戚の方であれば宗派を知っている可能性が高くなります。父方の兄弟姉妹はじめ親戚に尋ねてみましょう。(結婚により父親が母方の姓に変更している場合であれば、母方の親戚に尋ねます)
菩提寺がある場合であれば、どこの寺院・お墓や仏壇がどこにあるのか・親の葬儀はどの寺院に依頼したかといった情報を得られれば宗派を特定することが可能です。菩提寺とは、代々に渡ってその家の死者や先祖の供養を行ってくれるお寺のことです。菩提寺が分かるのであれば「菩提寺に尋ねる」という選択肢も可能です。菩提寺に問い合わせると「うちのお寺は〇〇宗ですよ」などとすぐに教えてくれます。

宗派の調べ方(2)

お墓もしも菩提寺が分からない、あるいは菩提寺がない場合であれば、その他の方法を用いて宗派を調べなければなりません。もしもお墓があるのなら足を運んでみましょう。まだお墓がないのであれば本家や親戚のお墓に行きます。お墓の形そのものは宗派によって決まっている訳ではありませんが、刻まれている文字には宗派別の特徴がある為そこで判断することが可能です。竿石とは、お墓の中心となる石のことですが、多くの場合はその正面には「◯◯家之墓」と刻まれます。しかしその宗派を表す言葉を彫刻することも多々ありますので、それをもとに宗派を探し当てます。

「倶会一処」だと浄土真宗
浄土真宗が大切にする言葉に「倶会一処」というものがあり、念仏を信仰するものは亡くなると、先に亡くなった人と同じ浄土に行けるという意味です。この文字が刻まれていれば、浄土真宗と判断できます。
「南無阿弥陀仏」だと浄土宗か浄土真宗
浄土宗や浄土真宗では「南無阿弥陀仏」の念仏を唱えて阿弥陀如来を信仰するので、この文字が刻まれていたらいずれかの宗派に絞り込むことが可能です。
「南無大師遍照金剛」だと真言宗
真言宗は弘法大師空海が開いた宗派で、空海は「お大師」さんの呼び名で親しまれています。「大師」の文字が空海を表していますので、この文字が刻まれていれば真言宗と判断できます。
「南無妙法蓮華経」だと日蓮宗かその分派
日蓮宗は日蓮が開いた宗派で法華経というお経を大切にし「南無妙法蓮華経」という題目を口に唱えます。ただし、日蓮宗は分派が多いため、竿石を見ただけではどの宗派かは確定できません。

また、お墓や位牌に彫られている戒名で確認するという方法や梵字で確認するという方法もあります。お墓以外にもお仏壇の中にはそれぞれの宗派が信仰の対象とするご本尊(仏様)が祀られています。ご本尊は必ず3尊1組で祀られ、中央に中心となる仏様、左右に脇仏が掲げられます。本尊は掛軸で祀ることもあれば仏像で祀ることもあります。一目見ただけでは、その仏様がどの宗派のものか判別できない場合もありますので、判断が難しい場合には葬儀社や仏具店に相談するとよいでしょう。宗派によって特徴がありますので、それぞれの宗派の本尊や特徴は以下の表をご参考にしてみてくださいね。

宗派の特徴一
宗派の特徴二

宗派が分からない場合

分からないここまで、宗派の調べ方を様々な方法でお伝え致しましたが、それでも判断できないケースもあるかと思います。宗派よりも大事なのは、菩提寺つまりご先祖様の供養をしてくれているお寺の存在です。もしもあなたが祭祀承継者、つまりご先祖様の供養を受け継がなければいけない立場であるならば、その菩提寺との付き合いをしなければなりません。しかし、もしもあなたがそうでない…つまりお寺様との付き合いがこれから始まるのであれば自分たちで宗派を決めれば良いのです。その時に、何を基準に宗派を決めればいいのか分からないという方もいらっしゃるかと思います。その時に一番の拠り所となるのが、本家や親戚の宗派にあわせるという方法です。しかしどのような方法を用いても宗派が割り出せないのであれば、あらゆる意味で信仰の自由が保障されている現在では自分たちで宗派を自由に選ぶとしても何ら問題はありませんから、ご縁のあった近所の寺院の宗派にするというのでもよいですし、葬儀社に相談してみたり、教義に感じるところや共感できるところのある宗派を選ぶことができるとよいでしょう。

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